海南島(海南省)の万人坑
石 碌 鉄 鉱 万 人 坑

 石碌鉄鉱万人坑
海南省昌江地区

 海南島西部の昌江地区は、鉄・金・銅・亜鉛・アルミなど鉱物資源が豊富に埋蔵されている。この昌江地区を1939年に日本が占領し、高品質の鉄鉱石が豊富に埋蔵されている石碌鉄鉱からは敗戦までの六年間に69.5万トンの鉄鉱石を略奪する。
 石碌鉄鉱で採鉱作業の労役を強制されたのは、海南島をはじめとする中国各地と朝鮮・インドネシア・インドなどから連行されてきた四万人もの人たちだ。そのうち三万人余が過酷な強制労働と凄惨な虐待により死亡し、日本の敗戦で解放されるまで生き残ることができたのは5800人に過ぎない。犠牲者の遺体は製鋼所に送られて焼かれたり、セメント工場の南にある谷に大量に捨てられるなどして処分された。
 1965年に石碌鉄鉱殉難労工記念碑が建立され、日本の侵略下で起きた惨劇を伝えているが、犠牲者の遺体が捨てられた万人坑は保存されていない。現在は海南鉱業株式会社が石碌鉄鉱の操業を続けている。

写真:2014年11月13日撮影 


 海南島地図(位置)
 海南島は、中国本土(大陸)の南方に浮かぶ巨大な島。面積は3.4万平方キロで、台湾(3.6万平方キロ)よりほんの少しだけ狭い。ベトナムのハノイより南に位置し、南側は熱帯気候に属するこの島に37民族・870万人が暮らす。そのうち720万人が漢族で、残りの150万人が黎族・ミャオ族・回族などの少数民族。一年中緑に覆われる温暖なこの島に11月から3月にかけて大陸からたくさんの人がやって来て暖かい冬を過ごす。

 海南島地図
 石碌鉄鉱は海南島西部の昌江地区にあり、高品質の鉄鉱石が大量に埋蔵されている。

 昌江の白い毛沢東像
 昌江市街の外れにある閑静な街角に白い毛沢東像が設置されている。その背後にある建物の裏に石碌鉄鉱殉難労工記念碑が建立されている。

 石碌鉄鉱殉難労工記念碑
 ちょっとした公園の奥に白い記念碑が見える。石碌鉄鉱の惨劇を伝える殉難労工記念碑だ。

 石碌鉄鉱殉難労工記念碑
 1965年に建立された記念碑。建立から半世紀が経ち、正面の碑文は少々読みづらくなっている。

 石碌鉄鉱殉難労工記念碑
 石碌鉱山で起きた惨劇の様子がこの記念碑に刻まれているのだろう。4万人が理不尽かつ過酷な労働を強制され、解放時まで生きながらえることができたのは5800人だけだ。

 犠牲者追悼式
 石碌鉄鉱の強制労働で死亡した三万人余の中国人労工らを追悼する。記念碑に花を供え、犠牲者を追悼する言葉を中国語で読み上げる。

 石碌鉄鉱殉難労工記念碑
 犠牲者追悼式で供えた花と、不戦・平和を誓う言葉を記した色紙が、記念碑の台座のあたりに見える。

 大量のオートバイが走る昌江市街
 昌江市街の幅の広い道路に二輪車(オートバイ)があふれている。少し前は自転車が主流だったのだろうが、今はオートバイが庶民の足になっている。

 ビルが林立する昌江市街
 李秉剛さんが七年前に来たときとは様子が全く変わってしまった昌江の街。あっという間に、ビルが林立する都会になった。広い道路を埋め尽くさんばかりのオートバイの数にびっくりする。



 日本が支配していた時代の石碌鉱山
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 石碌鉱山の日本人統治者
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 死石碌鉱山の労工宿舎
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 石碌鉱山の日本軍監視所
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 労工生存者の馬霖さん。右足の傷跡は今もはっきりと残っている。
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 労工生存者の向全さんと足の傷跡
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 向全さんの足の傷跡
【李秉剛教授(北京)提供写真】




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