潘 家 峪 惨 案

 潘家峪惨案
河北省唐山市

 抗日根拠地となり抵抗を続ける潘家峪を殲滅することを決めた日本軍は、1941年1月25日に5000名の兵隊で潘家峪を包囲し、殲滅作戦を実行する。そして、地主の家敷に多数の村民を閉じ込め焼殺するなどで、1700名の村民のうち1230名を虐殺した。犠牲者の遺体は、残された村人により村はずれの墓苑に埋葬された。
 現在の潘家峪は人口1300人余の平和な村で、ぶどう栽培が広く行なわれている。潘家峪惨案の象徴であるかつての地主の家敷など虐殺現場は復元され、新しい巨大な記念館と併せ、21世紀の現在に潘家峪惨案を伝えている。
 
写真:2013年9月26日撮影 

 潘家峪の集落
 現在の潘家峪は、ブドウ栽培が盛んな人口1300人余の農業の村。住居の庭先など村中にブドウ栽培の棚が広がり、村人は平和で豊かに暮らしている。

 潘家峪惨案記念館・外観
 大虐殺が実行された潘恵林さん(当時の地主)の家敷の正面に建設された新しい巨大な潘家峪惨案記念館(資料館)。

 家族5人を殺害された潘貴清さん
 虐殺された1230名全員の名前が潘家峪惨案記念館展示室の壁に記録されている。潘家峪惨案について説明してくれる潘貴清さんは、家族7人のうち5人をあの惨案で殺害された。

 潘家峪惨案記念館・展示
 潘恵林さん(当時の地主)の屋敷に大勢の住民が閉じ込められ、高い塀で囲まれる屋敷は日本兵に包囲された。そして、出口を閉ざされたまま放火され900名が焼死する。これは、その惨殺現場を生々しく再現する実物大の展示。

 西大坑
 村の中心よりやや西寄りにある西大坑(地名)。事件当時、ここはもう少し広い池だった。潘家峪を包囲した日本軍は、まず最初に、厚い氷で覆われる西大坑の池の上に村人を集めた。そのあと、惨劇の現場となる潘恵林さんの屋敷に連行する。

 潘恵林さん(地主)の家敷(1)
 幅42メートル・奥行75メートルの外壁に囲まれる潘恵林さん(当時の地主)の大きな屋敷が、当時の様子や構造が分かるように主要部が復元されている。

 潘恵林さん(地主)の家敷(2)
 潘恵林さん(当時の地主)の屋敷の外庭に立ち、惨劇の様子を説明する潘貴清さん。潘貴清さんの後ろにある門を通り抜けると中庭に入る。

 32人が突き落とされた崖
 32人の女性と子どもがこの崖の上から、下を流れる川に突き落とされた。潘恵林さん(地主)の屋敷の南側がこの川に面していて、その屋敷のすぐ東方にこの崖がある。

 共同墓地(全体の概観)
 白い外壁で囲まれているのが、村の南側の外れにある共同墓地。虐殺事件(潘家峪惨案)のあと、虐殺をまぬがれ生き残った村人と、駆けつけた八路軍兵士の手で1230人の犠牲者がここに埋葬された。

 共同墓地の四つの土饅頭
 四つの大きな穴を掘り犠牲者の遺体が埋葬され、写真右側に並ぶ四つの土饅頭が作られた。1230体の遺体のうち約800体は猛火で焼けただれ、身元の確認が不可能だった。奥にある赤く見える建物は、全ての犠牲者の名前を記して祭っている廟。




 潘家峪惨案生存者。左から、潘善揩ウん・潘作忠さん・潘春義さん。
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 潘家峪惨案の遺体 その1
【李秉剛教授(北京)提供写真】
 潘家峪惨案の遺体 その2
【李秉剛教授(北京)提供写真】




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