ハ イ ラ ル 要 塞 万 人 坑

 ハイラル要塞万人坑
内蒙古自治区ホロンバイル市ハイラル区

 ハイラル要塞は、中ソ国境沿いに十数カ所が構築された日本軍要塞群の西端に位置する重要拠点で、主要陣地だけでも5カ所がハイラル市街を取り囲むように構築された。そこに、第8国境守備隊を中心とする3万人の日本軍が駐屯する。
 1934年6月に開始されたハイラル要塞の大規模な建設工事にも膨大な数の中国人が労工として徴用され、過酷な強制労働により2万人以上が死亡した。犠牲者の遺体が捨てられた沙山万人坑は、ハイラル市街の北西方向にある沙漠の丘陵地帯にあり、犠牲者の遺骨が今も風に吹きさらされている。


海拉尔沙山万人坑

  我在中国第一次看到的万人坑是位于内蒙古自治区呼伦贝尔市(盟)海拉尔区(市)的沙山万人坑。那是2000年5月的事。
  在日军海拉尔要塞的建设工程中被强制劳动的中国人中约有2万人死亡,尸体被遗弃在沙山的沙漠里了,这就是沙山万人坑。
  我2000年5月到访的时候,被遗弃的遗体(遗骨)还照旧被搁放着。大风一吹,遗骨就会从沙子里重新显现出来。那个情景真让人心惊肉跳恐怖至极。
  看到沙山万人坑让我想弄清楚被强制劳动的中国人以及万人坑的真实面目。


 
写真:2012年8月24日撮影 

 河南台地下要塞内の宿泊室
 司令部が置かれたハイラル河南台陣地には、60余の部屋を備える総面積1万平方メートルの巨大な地下要塞が造られた。この部屋は兵士の宿泊室。細長い部屋の左右の壁沿いに上下2段の寝台が備えられた。

 河南台地下要塞内の医務室
 ハイラル河南台陣地の地下十数メートルから20メートルの位置に地下要塞が造られた。地下坑道(通路)の総延長は5000メートルにもなる。60余ある部屋のうち医務室として使用されたこの部屋には、当時のようすが再元されている。

 河南台地下要塞内の旧展示施設
 新しい巨大な記念館・「世界反ファシズム戦争ハイラル記念館」が2008年に地上に開設されるまでは、訪れる人のために地下要塞内に写真や資料がこのように展示されていた。この展示室はその当時のまま残されているが、現在は利用されていない。

 労工小屋の跡
 長さ30メートル・幅14メートル・深さ3メートルのこの窪地に、ハイラル要塞建設工事で強制労働を強いられた中国人労工の宿舎(小屋)があった。小屋内には中央に通路があり、通路の両側に上下2段の寝床が備えられ、200名余の労工が収容された。

 沙山万人坑が保護区域に!
 ハイラル市街の北西方向に位置するハイラル川北岸の丘陵にハイラル要塞沙山万人坑がある。ほんの数年前まで野ざらしのまま放置されていた万人坑の周囲に柵が設置され、万人坑保護区域として保全措置がとられた。写真の左手前から右奥に向け10メートル間隔くらいで支柱が立てられているのが分かるだろうか。この支柱をつなぐように鉄条網が張られ、万人坑が保全されることになった。そして、巨大な記念碑が新たに建立された。

 沙山万人坑・記念碑
 数年前に建立された巨大な記念碑。自然石を模擬する記念碑の表面に「愛国主義教育基地/万人坑遺跡」と刻まれている。この日(2012年8月24日)、手前の花を私たちが記念碑に供え、カミナリが鳴り響く中で犠牲者追悼式を行なった。

 沙山万人坑・記念碑の裏側から
 記念碑の裏側から万人坑保護区域の外側を見る。新たに建立された記念碑は、高さ10メートルほどもある巨大なものだ。

 ハイラル要塞沙山万人坑
 ハイラル川北方に広がるこの広大な丘陵がハイラル要塞沙山万人坑。ハイラル川の対岸(南方)にある、日本軍司令部が置かれた河南台の小高い丘陵が、この写真ではるか遠方に確認できる。

 第8国境守備隊第80独立混成旅団の司令部跡
 中央に立派な門があり、その両側の各階に4部屋ずつが並ぶ二階建てのこの建物が、かつて日本軍司令部として利用された。現在は、内蒙古ハイラル開墾総合病院の一施設として使用されている。

 ハイラル神社・手水舎
 ハイラル市街にある西山広場(公園)に、ハイラル神社の手水舎が残っている。ハイラル神社の本殿などは残っていないが、この手水舎から、相当に大きな神社であったと想像される。かつて、日本の中国侵略に宗教者が積極的に加担したことを銘記しておきたい。

 爆破された伊敏橋と「望郷」の像
 1945年8月9日に参戦したソ連軍がハイラルに侵入するのを阻止するため、当時、伊敏川を越えハイラルの東西をつなぐ唯一の道路橋であった伊敏橋を日本軍が自ら爆破した。その伊敏橋の傍らに、爆破された伊敏橋の先のはるか東方を見つめる母と子の等身大の像が最近設置された。「満州」に取り残された日本人婦人と幼子を象徴するこの像に「望郷」と記されている。



 世界反ファシズム戦争ハイラル記念館
 世界反ファシズム戦争ハイラル記念館は2008年に完成し一般公開された。この巨大な記念館の開設に合わせ、砂に埋もれたハイラル要塞河南台陣地を掘り起こして当時の状態に戻し、ソ連軍の攻撃を河南台の丘陵に再現する広大な野外展示場も整備された。

 ハイラル要塞:破壊された地上陣地
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 万人坑:労工の遺骨と労工の遺物
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 労工生存者:周茂勝さん
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 労工生存者:ハイラル要塞から脱出した張玉甫さん
【李秉剛教授(北京)提供写真】




「万人坑を知る旅」index

「 満 州 国 」 の 万 人 坑
 内蒙古自治区 ハイラル要塞万人坑
 黒龍江省   鶴崗炭鉱万人坑  鶏西炭鉱万人坑  東寧要塞万人坑
 吉林省    豊満ダム万人坑  遼源炭鉱万人坑  石人血泪山万人坑
 遼寧省    北票炭鉱万人坑  阜新炭鉱万人坑  本渓炭鉱鉄鉱万人坑  弓長嶺鉄鉱万人坑
        大石橋マグネサイト鉱山万人坑  大石橋マグネサイト鉱山万人坑(2)
        金州龍王廟万人坑  新賓北山万人坑  撫順炭鉱万人坑  旅順万忠墓
        阜新炭鉱万人坑(2)  北票炭鉱万人坑(2)  平頂山惨案
 河北省(旧熱河省) 承徳水泉溝万人坑

華 北 の 万 人 坑
 河北省    宣化龍煙鉄鉱万人坑  潘家峪惨案  石家庄強制収容所  井陉炭鉱万人坑
 山西省    大同炭鉱万人坑  大同炭鉱万人坑(2)
 天津市    塘沽強制収容所

華 中 ・ 華 東 の 万 人 坑
 安徽省    淮南炭鉱万人坑
 江蘇省南京市 南京江東門万人坑  南京上新河万人坑  南京普徳寺万人坑  南京東郊合葬地
 上海市    銭家草惨案

華 南 の 万 人 坑
 湖南省    廠窖惨案(廠窖大虐殺)
 海南省    八所港万人坑  石碌鉄鉱万人坑  田独鉱山万人坑  陵水后石村万人坑
        南丁(朝鮮村)千人坑  月塘村「三・二一惨案」  北岸郷「五百人碑」


付 録 : 朝 鮮 を 知 る 旅
        朝鮮の人たちの日常 2014年

付 録 : 日中友好新聞連載記事
        中国本土に現存する万人坑と強制労働現場を訪ねる



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