大 同 炭 鉱 万 人 坑

 大同炭鉱万人坑
山西省大同市

 大同炭鉱は、石炭の品質が良く埋蔵量も多い有名な炭田である。たくさんの炭鉱が古くから大同で営なまれたが、1937年10月に日本が大同炭鉱を占領する。そして、敗戦までの8年間で石炭1400万トンを略奪し、6万人余の中国人労工を死亡させ、20カ所の万人坑と死体焼却場が残された。
 そのうち、廃鉱となった坑道に遺体が捨てられ形成された煤峪口万人坑は70年後の今も完全な状態で保存され、記念館(資料館)も開設されている。煤峪口の上下二本の坑道(廃坑跡=洞窟)には、寒冷乾燥の条件下でミイラ化した犠牲者の遺体が累々と横たわっている。無念の表情を今もはっきりと浮かべる遺体は衝撃的である。
 
写真:2013年9月24日撮影 

 大同炭鉱万人坑記念館
 2008年に建て替えられた近代的な記念館(資料館)。記念館の背後に、頂上部に白い石碑(追悼碑)が林立する山が見える。この山の中腹に煤峪口万人坑がある。

 犠牲者の写真
 記念館(資料館)に展示されている、寒冷乾燥の条件下でミイラ化した犠牲者の写真。遺体と共にある賃金明細書などで名前を特定できている。

 煤峪口万人坑(遠景)
 正面の山の中腹に、煤峪口万人坑の中核をなす炭鉱の坑道(廃坑跡)がある。その坑道の入口部に、「万人坑遺跡」と表記される大きな広場が形成されている。

 煤峪口万人坑の入口
 広場正面右側の扉の奥に、「上洞」と呼ばれる炭鉱坑道の入口がある。広場の床面の下には、「下洞」と呼ばれる炭鉱坑道の入口がある。広場の床面にある四角のガラス張りの部分は、「下洞」入口用の明かり取りの窓。

 煤峪口万人坑「上洞」(1)
 幅5〜6メートル、奥行40メートル超の炭鉱坑道跡(廃坑跡)に犠牲者の遺体が捨てられた。「上洞」は、標高1175メートルのところにある。

 煤峪口万人坑「上洞」(2)
 高地の寒冷乾燥の条件下で犠牲者の遺体はミイラ化し、70年後の今も無念の表情を浮かべている。

 煤峪口万人坑「下洞」(1)
 幅3〜4メートル、奥行70メートル超の炭鉱坑道跡(廃坑跡)に犠牲者の遺体が捨てられた。「下洞」は、標高1155メートルのところにある。

 煤峪口万人坑「下洞」(2)
 このとき現場で確認するまで、ミイラ化した遺体の写真を埋められて間もないころの写真だと私は思い込んでいた。しかし現実は・・・、解放(抗日戦争勝利)から70年後の今現在のようすをこれらの写真は示している。




 大同炭鉱:中国人労工を監禁する鉄条網
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 今まさに石炭を積み込んでいる大同炭鉱の労工
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 日本統治時代の大同炭鉱の外観
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 強制徴用され大同炭鉱に連行されてきた労工
【李秉剛教授(北京)提供写真】

 大同炭鉱楊樹湾万人坑の一角
【李秉剛教授(北京)提供写真】




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