平 頂 山 惨 案

 平頂山惨案
遼寧省撫順市

 1932年9月15日の夜間に撫順炭鉱を抗日義勇軍に襲撃され面目を失くした日本軍守備隊が、翌日の9月16日に、撫順炭鉱の近くにある平頂山村を報復のため襲撃した事件を平頂山事件という。日本軍守備隊は、平頂山村の全住民ら3000人を村外れの崖下に集め機銃掃射により集団虐殺し、平頂山村を焼き払った。
 解放後に、虐殺現場の崖下を含む周辺一帯に平頂山惨案遺跡記念館が開設され、犠牲者の遺骨がそのまま残る虐殺現場がそっくり保存されている。

現地訪問:2017年8月29日 

平頂山惨案遺跡記念館
 1972年に開設された平頂山惨案遺跡記念館は、惨案(平頂山事件)から75年の節目に向けて大々的に改修され、新しい記念館として2007年9月16日に竣工・開館した。写真の正面に見える事務棟や資料館(展示館)も、手前の庭園と併せて近代的な施設(建屋)に一新された。

平頂山殉難同胞記念碑
 虐殺現場の崖の上に平頂山殉難同胞記念碑が建立されている。記念館開設当初から建立されている記念碑とその周辺も、2007年の大改修で整然と整備された。

平頂山惨案遺跡遺骨館/正面入口
 記念碑が建立されている丘(山)の上から崖を下りたところが虐殺現場になる。崖を下る階段の先に遺骨館の入口が見える。

平頂山惨案遺跡遺骨館/展示室
 事件当時の平頂山村と虐殺現場の崖下を描写する絵画の前で、撫順市社会科学院前院長の傅波氏が李秉剛教授に平頂山惨案について説明している。

平頂山惨案虐殺現場(1)
 平頂山惨案犠牲者の遺骨が長く帯状に横たわっている。事件当時は、この遺骨の列のすぐ左側に山の崖があり、平頂山村の集落(写真の右方)から追い出された住民らはこの崖下に追い込まれ、退路を断たれる中で虐殺された。

平頂山惨案虐殺現場(2)
 事件当時の崖に沿って犠牲者の遺骨が続く。崖下に追い込まれ、その先(後方=左方)に逃れることができなくなった住民らは、右方から取り囲む日本軍の機銃掃射で虐殺された。
 虐殺のあと、日本軍はダイナマイトで崖を崩し、犠牲者の遺体と虐殺現場を土砂で埋め、虐殺事件を隠蔽した。

平頂山惨案虐殺現場(3)
 虐殺現場を反対方向から見る。写真の右側が山の崖で、左方が平頂山村になる。2007年の記念館大改装で、虐殺現場はガラスの部屋で完全に囲まれ、完全な空調の中で遺骨が保護されるようになった。

平頂山惨案虐殺現場・拡大(1)
 中央上方の説明板に「1平方メートルに8体の遺骨がある」、右方の説明板には「子どもの遺骨」と記されている。説明板には、中国語の説明文と日本語の説明文が併記されている。

平頂山惨案虐殺現場・拡大(2)
 左手前の説明板に「ガソリン缶」と記されている。平頂山住民らを機銃掃射で虐殺したあと、日本軍(日本兵)は虐殺現場を入念に確認して回り、まだ息がある人を銃剣で刺し殺し、そのあと、ガソリンをまいて遺体を焼いた。

平頂山惨案虐殺現場・拡大(3)
 平頂山惨案で3000名の住民らが殺害されたが、遺骨館内に保存されているこの虐殺現場では800体の遺体(遺骨)を確認できる。




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